2013年、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを知っていますか?3回に渡って日本の魅力をお伝えするシリーズ。2回の今回は、海外の方からも高い評価を頂いている、日本が誇る「食」についてご紹介したいと思います。

前回お話した日本の地理・気候を覚えていますか?高温・多湿な気候、四方を海に囲まれ、山が多い(水資源が豊富な)地形という特徴を持つ日本は、古くから米と魚をメインに食べてきました。ヨーロッパの寒冷・乾燥の気候が麦の生育に適していて、牧畜も発展し、その結果麦と肉、乳製品がメインの食文化であるのと比べるとかなり異なりますね。

日本食と言えば、ヘルシーフードの代名詞になっています。確かに日本は世界的に長寿国(男性81.09歳で世界3位、女性87.26歳で世界2位、2017年)で、長寿の要因が日頃の食生活と充実した医療にあるならば、日本人の食生活は、一般的にはヘルシーだと言えるでしょう。日本には「一汁三菜」という言葉があり、これは白飯と汁物、肉や魚のおかず一品,野菜や海藻のおかず二品で成り立つ献立を指し、素材の味を生かした薄味で、彩りも美しく、ヘルシーで理想的な食事とみなされています。

実は日本人は19世紀半ばまで、動物の殺生を禁じる仏教の影響から肉食はあまり一般的ではありませんでした。それが1868年の明治維新*以降、日本人の食生活は劇的に変化。日本はそれまで200年以上続いた鎖国政策を廃止し、開国と同時に一刻も早い西欧式近代国家の樹立を目指しました。その西欧化の象徴の一つでもあるのが、肉食です。

 

19世紀後半から20世紀前半にかけて、日本人はあらゆる方法で肉食を日本風にアレンジしていきました。それらは「洋食」と呼ばれ、今も大人気のとんかつ、カレーライス、すき焼きなどはこの時代に原型が生まれました。こうした洋食文化は20世紀以降さらに発展、庶民の生活にも浸透し、レストランに入る前にお客様に店内メニューをビジュアルに案内するために、精巧な食品サンプルも作られました。

さて、最近はロンドンのスーパーでも、お寿司や海藻のサラダなど日本食のpacked lunchが簡単に手に入るようになりました。しかし日本の本来のpacked lunchは「弁当」と呼ばれ、中身は全く異なります。外で買うお弁当として定番なのが「幕の内弁当」スタイル。中身は、白飯(ごまと梅干付き)、漬け物、卵焼き、揚げ物、野菜の煮物などです。家庭で作るお弁当も、基本は白飯と肉や野菜のおかずで成り立っています。訪日観光客の多くは、東京駅の構内を歩いた際、店頭で売られている万華鏡のように色鮮やかな駅弁に圧倒されています。

東京といえば、ここは世界一美味しいレストランが集まる街だと言えます。2019年ミシュランの三つ星を獲得したレストラン数は、パリを抜き東京が世界1位。またこのような高級レストランだけではなく、旅行者の皆様に是非楽しんでいただきたいのがローカルフードです。例えば、先日トランプ大統領へのおもてなしディナーとして日本国内で話題になったのが、「炉端焼き。」これは店員がお客様の目の前で、お客様がオーダーした新鮮な食材を炭火で焼きあげ提供するスタイルです。このように店員が目の前で調理をするスタイルは、焼き鳥、串揚げ、鉄板焼き、お好み焼き、など多くのバリエーションがあります。(その逆に、しゃぶしゃぶ、すき焼、もんじゃ焼きなど、店員は食材を渡すのみで、お客様自身が料理をするスタイルもあります。)もちろん、安い値段で気軽に美味しく飲食できる食堂や居酒屋も数多くあり、今晩はどこで食べよう?とお店を選ぶのに一苦労することでしょう。

以上、このページには書ききれないほど、日本の食文化は驚くほど豊かです。

2013年には、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。是非、季節を変えて何度も日本を訪れて、日本食を堪能されてはいかがでしょうか?きっと、日本で新しい味覚を覚えて帰国できると思います。 

*19世紀後半の、政治・経済から衣食住にいたるまでの一連の西欧化を意味します。